妄想男子

日々思うことを気ままに。

関西のすすめ

ずいぶん前のことを少しだけ書こうと思います。

 

それは私が関西の神戸というところに住んでいた時の話。

その当時勤めていた会社の上司。

この人のことを書かなくて私の人生は語れない。

と言うぐらい私の人生のど真ん中に土足で鎮座している人がいる。

 

その上司。

曰く、論破の達人であり、伝説の男であり、目指すは表の世界の竹内力

傍から見ればどこにでもいるおっさんのように見える風貌にもかかわらず

私とそんなに歳が違わない。

それなのに人生経験はわたしの数億倍と言う超人。

もうあなたの中には紫の血が流れてるんじゃないんですか?と。

あなたは怒りにまかせて金色の髪に緑の瞳を手に入れて周囲を恐怖のどん底に突き落とすスーパー〇イヤ人か何かなんじゃないんですかと。

そんな面白兄貴の話を少しだけ。

 

ある日のこと

私がいつもの通り勤務をしていると

ものすごく不機嫌そうに出勤をしてくる。

そのオーラたるや覇王色の覇気だけで気絶するぐらいの威力がある。

そんな状態で奥の部屋に籠って何やらパソコンをカタカタ事務作業を開始。

暫くすると部屋の入口から半分だけ顔を出して私を手招きする。

しかも真顔で。

 

この時点で嫌な予感をしない奴はいないだろう。

私は何か怒られるんじゃないかと戦々恐々部屋に向かう。

 

「お待たせしました。何か用ですか?」と

眉間に三本ぐらいの皺を寄せてこのままVシネ出れるんじゃね?

ぐらいの勢いで睨んでくる。

その状態を30秒ぐらいたっぷりキープするわけで

新人なら硬直のまんまぶっ倒れるんじゃない?ぐらいの迫力。

次に出た言葉は

「お前なぁ!!エヴァの新台出たら報告せぇ言うたんちゃうんか!」

(注:私は、パチンコエヴァンゲリヲンの新台が登場することが分かったら報告しろと

いったはずだ。の意)

 

いやそんなこと一回も言われてませんし

私パチンコしませんし

知りませんやん。

もうね。

私の口からは「え~」しか出てこない。

もう戻っていいですか?

「うん。ええよ。」

これぞ言ったらスッキリ&困惑する私の顔を見て満足する真正サド。

ひどくない?

こっちは怒られるかもしれないって思ってるのにね。

 

さて、入社して3カ月で私が体得した技を皆さんに教えよう。

それは前を向いていても後ろで起きている状況がわかるというものだ。

 

持ち場に戻って仕事をするも

背後からものすごい殺気を感じて振り返ると

先ほどと同じように半分だけ顔を覗かせて手招きしている上司。

これは行くべきなのだろう。否、行かなければ殺される。

基、何をされるか分かったもんじゃない。

 

いや、また怒られると思うやないですか。

そこで慎重に「何か御用でしょうか?」と一言。

今度はものすごい勢いで悩んでいる。

いや、苦しんでいる?

悶絶にも似た苦悶の表情を浮かべながら

「お前なぁ。パフュームの新曲出たら言わなあかんちゃうん?」

(注:あなたはパフュームの新曲が出たら

私に報告しなければいけないのではないか?の意)

 

ここまで来るともう私は呆れるしかない。

「え~またっすか?」と。

もう勘弁して下さいよと。

もう戻ってもいいですか?

「うん。ええよ。」

 

そんなこんなを繰り返し。

私は関西のノリというものを知った。

 

これを読んでいる人からすれば

何か面倒臭いひとなんやなと思うでしょ?

でもね。それでも後から思い出したらおもろいんでしょ?

っていう含みがあるわけで。

これを人に話したら間違いなく笑いがとれる。

だったらそれで〇なんじゃないの?と。

そういうことを考えて関西の人たちは生きている。

 

私が思うに関西人とは笑いのためにならば時間を惜しまず

且つ、それが確実に面白いという確信のもと全ての行動を取る。

それを面倒だと思う人は間違いなく関西では生きてはいけない。

 

何が言いたいかというと。

これから関西に移住される方。

そんな人がそこかしこにいる環境に身を置くことを肝に銘じてほしい。

 

電車に乗っても

ラーメン屋に入っても

面白いことを求められる。

笑い話は生活のそこらじゅうに落ちているものだろうと考えることを

無言の間に求められる。

 

全てを楽しく笑いに変えて楽しく生活していくために

それが仕事や生活全てに行かせるなら明るい未来を築けるからと。

そこまで考えていなくても子どもころからそう教育されている人たちと生活を共にすることになる。

 

だから私は

覚悟とともに笑い話を一つでも持っていくことをお勧めしたい。